「お彼岸」はなぜ春分の日に? 知っているようで知らない、お彼岸のお話し。

こんにちは、ほと子です。
寒さの中にも春の足音が聞こえてきそうな今日このごろですね。

さて、春の足音といえば、そろそろお彼岸の季節。
ちなみに、今年のお彼岸は、いつなのでしょうか。

Wikipediaによると、
“彼岸(ひがん)とは、雑節の一つで、春分・秋分を中日とし、前後各3日を合わせた各7日間(1年で計14日間)である。この期間に行う仏事を彼岸会(ひがんえ)と呼ぶ。”
とのことです。

今年の春分が3月20日金曜日なので、
3月17日が彼岸入り、
3月20日が彼岸中日、
3月23日が彼岸明け、
となります。

また、秋分の日は、9月22日火曜日なので、
9月19日が彼岸入り、
9月22日が彼岸中日、
9月24日が彼岸明け、
となります。

国民の祝日に関する法律によると、春分の日は、自然をたたえ、生物をいつくしむ日、秋分の日は、祖先をうやまい、亡くなった人をいつくしむ日、であるそうです。
ちなみに、同じ仏教ですが、インドや中国にはお彼岸の風習はないそうです。

お彼岸の語源

そもそも、彼岸(ひがん)と呼ぶようになった語源は何でしょうか。

彼岸の語源は、仏教用語の「パーラミター」(サンスクリット語)であると言われています。この言葉の意味は、「完成する、成就する」ということだそうです。
そして、この「パーラミター」という発音は、「波羅蜜多(はらみった)」と音訳します。

「般若波羅蜜多(はんにゃはらみた)」と、般若心経にもあるように、非常に重要な仏教用語です。

お彼岸の意味は? どうして岸なの?

春分、秋分の日にお墓参りをしたことは記憶の片隅にありますが、
そもそもお彼岸とは、どのような行事なのでしょうか。

彼岸という言葉の意味を調べてみると、“迷いから脱して煩悩を超越した悟りの境地“という仏教用語だそうです。
また、三途の川を挟んで、現世を此岸(しがん)と呼び、向こう側の仏様の世界を彼岸(ひがん)と呼ぶのだそうです。

つまり、彼岸は極楽浄土で、現世から見ると、向こう岸。
日本の先祖崇拝の影響から、亡くなったご先祖さまや家族は極楽浄土の「彼岸」にいて、時々、私たちの生きる「此岸」にやってくる、と考えられるようになりました。

なぜ、春分の日、秋分の日なの?

国立天文台が毎年2月の最初の官報で翌年の暦要項(れきようこう)を発表します。暦要項には、国立天文台で推算した翌年の暦(国民の祝日、日曜表、二十四節気および雑節、朔弦望、東京の日出入、日食・月食など)を掲載しています。
春分の日と、秋分の日は、日の出ている時間と日の沈んでいる時間がちょうど同じという日です。彼岸は西にあり、此岸は東にあるとされ、春分、秋分の日は、太陽が真東から真西に動くため、彼岸と此岸が通じやすくなるといわれています。
そのためこの時期が先祖供養にふさわしいとされているようです。

「お彼岸」というのは、彼岸(ご先祖様のいるところ)と此岸(私たちがいるところ)が交流する行事といえます。その場所が「お墓」で、お参りするところなんですね。

お彼岸には何をすればいいの?

お彼岸には、仏壇を掃除し、果物やお菓子をお供えしたり、お墓参りに行き、お墓を掃除して、お花、お水、果物やお菓子をお供えするなどすることが多いようです。また、個別にお坊さんにお経を読んでいただいたりすることもあるようです。

よくあるお供え物

何をお供えしたらいいの? と思う方も多いのではないでしょうか。
・ぼた餅(春の彼岸の場合)
・ おはぎ(秋の彼岸の場合)
・ 食べ物やお酒
・ 果物
・ 菓子折り
・ お花(白や淡い色のもの)
・ 線香やろうそく
等がよいでしょう。

金額の相場は、3,000円から10,000円の方が多いようです。
水引は、掛紙が黒白や双銀、地域によっては黄白の結び切りを選びます。表書きを「御供」、忌明け前であれば「御霊前」、忌明け後であれば「御仏前」などの言葉がよいでしょう。
お金をお供えとしてお渡ししても大丈夫です。白黒か双銀の結び切りの不祝儀袋に、表書きを「御仏前」「御佛前」「御供物料」などと書いてお渡しします。
地域やお家によって習慣は異なりますので、心配なことがあれば、お伺いするご家庭に近しい方に聞いてみるのが無難かもしれませんね。
ちなみに、ぼたもちとおはぎの違い、ご存じでしたか?
ぼたもちを漢字で書くと、「牡丹餅」
おはぎを漢字で書くと「御萩」
いずれもお花の名前なんですね。春は牡丹の花、秋は萩の花にたとえられていたようです。
いまは年中「おはぎ」と呼んでいるお店が多いようです。

花より団子、の方には関係のないお話でしたね、失礼しました!

お彼岸とお寺

 

さあ、ご先祖さまや亡くなった家族をしのぶ、お彼岸。
まずは掃除道具やお供え物をもち、お寺でお墓参りをしましょう。
墓石と墓地をきれいに整えたら、お供えをします。お坊さんにお経をお願いして、
まごころをこめて、合唱礼拝をしましょう。

また、お寺では、お彼岸のときに、「彼岸会(ひがんえ)」という行事が行われることもよくあります。

さあ、春はもうすぐ。
「此岸」では忙しい毎日ですが、ときには「彼岸」の世界をゆったりと考えてみる時間の過ごし方はいかがでしょうか。
お寺でひとりしっとりとお祈りを、あるいは彼岸会で親族との交わりをさらに深めるなど、さまざまな過ごし方があるかもしれませんね。