日本の夏の行事~お盆と仏教の関わり

夏、それはお祭りや花火などイベントが多くワクワクする季節。

こんにちは。ほと子です。
日本の夏のイベントには、七夕や盆踊り、迎え火、送り火、精霊流しなどがあります。これらはすべて仏教と関わりがある行事であることをご存知でしょうか?

今回は、お盆行事と仏教の関わりにふれながら、コロナ禍で中止が続いていたけれども今年は解禁される予定のイベントもご紹介します。

 

お盆とは

一般的にお盆は、家族や親せきが集まり、先祖の霊を供養する行事です。今につながるお盆行事は、606年に推古天皇が行ったものが最初だとされています。日本には元来、祖先を敬い加護を祈る祖霊信仰がありました。仏教が伝来する前から、正月とお盆には先祖を迎える行事があったそうです。

仏教におけるお盆とは、親孝行の大切さを説いた教えがはじまりといわれています。

お釈迦様の弟子の一人が、亡き母が飢餓道に落ち、飢えと渇きに苦しんでいると知りました。お釈迦様に相談をすると、多くの人への施しで母親が救われるといわれます。そこで夏の修行期間があける7月15日に多くの僧たちに飲食物を捧げて供養したことから、旧暦7月15日は故人や先祖を供養する日になったといわれています。

お盆行事と仏教のつながり

日本で夏に行われる、七夕や盆踊り、迎え火、送り火、精霊流しなどのイベント。それらはそれぞれ仏教と関わりがあります。

迎え火・送り火

迎え火」はお盆に現世に帰ってきた先祖の霊をお迎えする行事で、7月13日(8月13日)に行います。

「迎え火」の明かりは先祖の霊が家に帰ってくるときの目印になるといわれています。一般的には、家の門口や玄関でオガラを焚いたり、墓参り後にお迎え用の提灯に明かりを灯したりしながら、先祖の霊を導きます。

一方、「送り火」はお盆に現世に帰ってきた先祖の霊を送り出す行事で、私たちがしっかりと見送っているという証でもあります。7月16日(8月16日)に行うのが一般的。

有名なイベントには、京都「五山の送り火」があります。

精霊馬

お盆によく見かけるキュウリやナスに足がついたもの。これは「精霊馬(しょうりょううま)」といい、先祖の霊が家族のもとに帰ってくる際に乗ってくるものとされています。

キュウリは馬ナスは牛を意味しています。諸説ありますが、馬は足が早いので家族のもとに早く帰ってこれるように、牛は荷物をたくさん運ぶことができるので、土産をたくさん載せてゆっくりあの世へ帰ってもらえるように、という願いが込められているそうです。

盆踊り

念仏を唱えながら踊る、仏教の「念仏踊り」が由来といわれています。お盆に迎えた先祖の霊をもてなし、一緒に過ごして送り出す行事なので、8月15日に踊り、16日に送り出します。

有名な盆踊りとしては、徳島県の「阿波踊り」、岐阜県の「郡上踊り」、秋田県の「西馬音内(にしもない)の盆踊り」があります。

2022年夏に行われるお盆イベントを紹介

コロナ禍により昨年までは中止や縮小開催が多かったのですが、今年は通常通り開催するイベントがあります。そのいくつかをご紹介します。

※2022年7月13日時点の情報です

京都府「五山の送り火」

京都府で毎年8月16日の夜に行われる行事。京都市街を囲む山で松などを燃やし、5つの送り火が山に浮かび上がります。5つの送り火は、「大文字」、「」「」の文字、「船形」、「左大文字」、「鳥居形」。午後8時頃「大文字」を始めとし、順番に点灯していきます。

2020年、2021年は新型コロナウィルスの感染予防対策のため縮小開催していましたが、今年は3年ぶりに開催を予定しています。

「大文字」の送り火の点火材に使われる護摩木には、先祖の霊や生存する人の無事息災が記されます。また、護摩木に自分の名前と病名を書いて焚くと病気が治るその炭を持ち帰り粉末にして服すと持病が治るともいわれています。

「五山の送り火」

岐阜県「郡上踊り」

岐阜県郡上市で約32日間、夜行われる盆踊り行事。7月中旬から9月初旬に開催されます。今年は3年ぶりに開催することになりました。

踊る場所は一夜一会場。ひと夏で市街を一巡します。特にお盆の4日間に行われる「徹夜踊り」が見どころです。

「郡上踊り」は江戸時代から約420年続く行事。三味線、太鼓、笛、唄囃子、掛け声に合わせて、下駄をならしながら踊ります。かつて、階級や身分などは気にせず無礼講で踊るのがいいとされていた名残から、現在も、老若男女、地元民も観光客も分け隔てなく輪になってみんな一緒に踊るという特徴があります。

「郡上踊り」

沖縄県「沖縄全島エイサーまつり」

毎年、旧盆明けの最初の週末に行われる「沖縄全島エイサーまつり」。3年ぶりとなる今年は8月20日、21日に開催される予定です。

沖縄市中心市街地を沖縄各地の青年会が練り歩くほか、県内各地から選抜された様々なエイサーを見ることができます。エイサーは地域ごとに特色があるので、その違いを楽しんでみてはいかがでしょうか。

こちらは、1956年に開催された「コザ市・エイサーコンクール」がはじまりです。戦後、米軍や関係者の民間地域への出入りを禁ずる規制により経済的ダメージを受けたコザ市が、元気を取り戻すために開催。のちに地域色が強いエイサーに優劣をつけるものではないとの声が上がり、第22回(1977年)にコンクールは廃止され、「沖縄全島エイサーまつり」となりました。

「沖縄全島エイサーまつり」

実際に行かれる方は、ホームページなどで事前に確認の上、計画してみて下さいね!

お盆は先祖と私たちをつなぐ行事

日本の夏らしい定番の行事が戻ってくるのは、やはりうれしいことですね。今年はお盆の意味を心に留めながら、先祖の霊を迎え、送り出してみてはいかがでしょうか。そして、感染予防対策は行いながら、現代の私たちらしいお盆を過ごしましょう。

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