セミの声が聞こえ、夏を感じる季節になりました。
こんにちは。ほと子です。
本格的な暑さが続き、風で感じる“涼”がうれしい時期になってきましたね。
夏といえば風鈴。その澄んだ音に、どこか懐かしさを覚える方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな風鈴と仏教の、意外なつながりについてご紹介します。さらに、夏休みに訪れてみたくなる、風鈴の名所として知られるお寺も紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
仏教とつながる風鈴のルーツ

風鈴といえば、夏の定番アイテム。軒先で風に揺れ、涼やかな音を響かせるその姿に、子どもの頃の記憶がよみがえる……なんて方もいるかもしれませんね。
風鈴のルーツをたどると、中国で使われていた「風鐸(ふうたく)」に行きつきます。唐の時代の中国では、竹林の東西南北に小さな鐘を吊るして、風の音や向きで吉凶を占う「占風鐸(せんふうたく)」が行われていました。風の音で運勢を占うなんて、ちょっとロマンチックですよね。
この風鐸は、仏教の伝来とともに日本にも伝わったとされています。
お寺の屋根の四隅などに吊るされた風鐸は、風が吹くたびにカランコロンと音を鳴らし、その音が届く範囲には災いや疫病が入り込まないと信じられていました。平安時代には、貴族たちが自宅の屋根の下にも吊るし、魔除けや厄除けとして使うようになります。
その後、浄土宗の開祖である法然によって「風鈴(ふうれい)」と名付けられ、そこから現在と同じ「風鈴(ふうりん)」という呼び名が広まります。音の美しさに惹かれて、人々の暮らしの中にも取り入れられるようになりました。
江戸時代にはガラス製の風鈴が登場し、見た目の涼しさも手伝って庶民のあいだでも人気に。最近では、電気を使わずに涼を感じられる「エコなアイテム」としても注目されています。
お寺の風鈴まつりに出かけよう

風に揺れて、涼しげに鳴る風鈴。その音色を楽しめる「風鈴まつり」が、各地のお寺で開催されているのをご存じですか?
ここでは、夏休みにもぴったりな風鈴まつりを楽しめるお寺をピックアップしてご紹介します。どのお寺も、たくさんの風鈴やロケーションが魅力的で、思わずカメラを構えたくなるはず。さまざまなエリアのお寺があります。旅行気分で訪れてみるのもおすすめです!
宝徳寺(群馬県)
群馬県桐生市の宝徳寺では、夏の風物詩として親しまれている「風鈴まつり」が今年も開催されます。会場にずらりと並ぶのは、なんと約3000個の風鈴!
風鈴に吊るされた短冊に願いを書くことができ、「風鈴のトンネル」をくぐるひとときは、まるで別世界に足を踏み入れたかのよう。色とりどりの風鈴がずらりと並ぶ光景は圧巻で、写真映えスポットとしても大人気です。
また、本堂の「床もみじ」も、ぜひお楽しみください。ピカピカに磨き上げられた床に映る新緑のもみじが幻想的で、思わず涼を感じる空間です。自由に撮影可能なので、ぜひ自分だけの1枚を切り取ってみてはいかがでしょうか。
最寄り駅からは少し離れているため、公共交通を利用する場合は東武鉄道「相老駅」または「赤城駅」からタクシーで約10〜15分となります。車での来訪もOK&駐車場は無料なので、夏のドライブにもぴったりです。ペット同伴可(本堂内は不可)なのも、うれしい魅力ですね。
場所:宝徳寺(群馬県桐生市川内町5-1608)
アクセス:大田桐生IC・伊勢崎ICより車で約30分
開催期間:2025年7月5日(土)〜9月23日(火・祝)
拝観料:大人500円(風鈴短冊付き)、高校生以下無料 ※床もみじ拝観は別途300円
公式サイト:https://www.houtokuji.jp/reflection-summer.html
川崎大師 平間寺(神奈川県)
川崎大師 平間寺で開かれる「風鈴市」は、「風鈴って、こんなに種類があるの!?」と驚くほど、多彩な風鈴が勢揃いするイベントです。毎年7月に開かれており、全国から約900種類・3万個以上の風鈴が集まります。ガラスや陶器、竹細工など素材もさまざまで、歩いて眺めるだけでも涼やかな音と彩りが楽しめるのが魅力です。
始まりは1996年で、先代のご貫首(かんじゅ・住職よりも高い立場)や商店街の方々が、「夏の川崎大師をもっとにぎやかに、楽しい場所にしよう」と立ち上げたのがきっかけでした。期間中は、風鈴のご供養を行う「納め風鈴法楽」や、限定の名入れ風鈴(整理券制・有料)、踊
り練り込みなど、にぎやかな行事が盛りだくさん。5日間限定の開催なので、お出かけの際は日程チェックをお忘れなく!
場所:川崎大師 平間寺(神奈川県川崎市川崎区大師町4-48)
アクセス:京急大師線「川崎大師駅」より徒歩約8分
開催期間:2025年7月17日(木)~7月21日(月・祝)
拝観料:無料(名入れなど一部有料企画あり)
公式サイト:https://www.kawasakidaishi.com/event/jul/
可睡斎(静岡県)
静岡・袋井市にあるお寺、可睡斎(かすいさい)で開催される「風鈴まつり」は、見応えたっぷりの夏の人気イベントです。なかでも注目は、山門から本堂へと続く「風鈴の小道」。色とりどりの江戸風鈴がなんと約2000個も吊るされ、風で揺れるたびにやさしい音が広がります。
枯山水の大庭園には、約1000個の青富士風鈴を使ったオブジェが登場。お絵描き風鈴体験(500円)も用意されていて、親子で楽しめます。大庭園を拝観すると、7月6日から各日100食限定でぜんざいと冷茶(各100円)を味わうこともでき、ひんやり甘い時間に癒されること間違いなしです。
この風鈴まつりは、法多山(はったさん)・油山寺(ゆさんじ)・可睡斎の「遠州三山」による取り組みで、それぞれの風鈴には禅の教えも込められているそう。見て、聴いて、涼んで、心が整う夏時間を楽しんでみてはいかがでしょうか。
場所:可睡斎(静岡県袋井市久能2915-1)
アクセス:東名袋井ICから約5分、または袋井駅からタクシー/駐車場あり
開催期間:2025年5月24日(土)~8月31日(日)
風鈴の小道拝観料:700円(青富士風鈴も含む)
公式サイト:https://www.kasuisai.or.jp/wp/p28
正寿院(京都府)
夏の京都で「風鈴」といえば、やっぱり正寿院(しょうじゅいん)。今年もカラフルな風鈴がずらりと並ぶ「風鈴まつり」が開催中です。この風鈴まつり、時期ごとにテーマが変わるのも楽しいポイント。6月はあじさい、7〜8月はひまわり、9月はコスモスと、季節の花をモチーフにした風鈴が境内を彩ります。
SNSで人気の「猪目窓(いのめまど)」というハート型の窓も、正寿院ならではの見どころ。この猪目模様は、約1400年前からお寺や神社の建築装飾に使われてきた、日本の伝統文様です。災いを除き、福を招くという意味が込められています。
さらに今年は、御本尊の特別開扉も実施中。普段は見られない御本尊にお参りできて、涼しさも感じられるなんて、なんだか得した気分ですよね!
場所:正寿院(京都府綴喜郡宇治田原町奥山田川上149)
アクセス:JR宇治駅からバス+徒歩約17分/京都市内から車で約1時間
開催期間:2025年6月1日(日)~9月30日(火)
※8月17日は拝観休止日
拝観料:1000円(特別御札+お菓子つき)
公式サイト:https://shoujuin.boo.jp/

まとめ
今回は、「風鈴って実は仏教と関係あるんだ!」というところから、全国の風鈴まつりを集めてみました。
夏休みも近いこの時期、ちょっと遠出してみてはいかがでしょうか。涼やかな音に包まれながら、ゆったりお寺時間を楽しむのもおすすめです。
気になるお寺があったら、ぜひ足を運んでみてくださいね!
過去記事で、同じ夏の風物詩として花火と仏教について書いています。
よかったら、あわせてお読みください♪
https://www.hotoke.click/fireworks_buddhism/
参照サイト
https://dazaifu-bunka.or.jp/info/letter/detail/70.html
https://www.houtokuji.jp/reflection-summer.html
https://www.kawasakidaishi.com/event/jul/
https://www.kasuisai.or.jp/wp/p28
ほと子’s choice
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