お茶と仏教の関わり 〜今、世界的に大人気の抹茶のルーツを探る

春風が心地いい気候になりました。

こんにちは。ほと子です。
春は新茶の季節です。景色を楽しみ、緑茶と和菓子をいただく時間は、至福のひとときですよね!
今回は、日本では馴染み深い飲み物であるお茶と、仏教の関わりをご紹介します。

 

お茶が日本に伝わったのはいつ?

日本のお茶の歴史は、平安時代にさかのぼります。僧侶の最澄(さいちょう)・空海(くうかい)・永忠(えいちゅう)が遣唐使として現在の中国に渡ったときに、薬としてお茶を持ち帰りました。

当時のお茶は、生の茶葉を蒸して丸く餅状にした固形物で、必要な量を切り取って火で焙り、細かく砕き粉にしたものを煎じて飲んでいいました。わたしたちが普段飲んでいるお茶とは、ずいぶん違いますよね。

その後、寺院や宮廷に茶園が設けられ、宮中の重要な行事でお茶が振る舞われるようになりました。平安時代の書物には、永忠が嵯峨(さが)天皇にお茶を煎じ献じという記録が残っています。当時、お茶はとても貴重で、上流階級のものだったのですね。

鎌倉時代になると、僧侶の栄西(えいさい)が留学先の宋(そう)の禅宗寺院で流行していた抹茶に興味を持ちました。お茶の効能が禅宗の修行において有効だと考えた栄西は、茶の実を持ち帰り、日本中にお茶を普及させました。

そして、お茶の効能を中心に、栽培・製造法・飲み方・作法などの喫茶法を記した日本最古の茶書『喫茶養生記』を執筆、茶道家たちに大切にされました。

栄西が広めたお茶は、それまでの固形のお茶とは違い、茶葉を挽いて湯に入れて飲む新しい喫茶法です。喫茶養生記の中に「茶は養生の仙薬なり」とあります。このことから当時のお茶は貴重な薬だったことがわかりますね。そして、これが現在の抹茶のルーツになりました。

禅宗とお茶の関係

 

禅宗には、人間の三大欲求のうち一番強い欲求である「睡眠欲」を忘れることで、煩悩がなくなり、きれいな心を保てるという教えがあります。そのため、禅の修行では睡眠時間を極限まで削ります。身体を動かさない坐禅の修行では、眠気を克服するのが難しいため、修行に集中できるようにカフェインを多く含むお茶が取り入れられました。そして、禅宗にとってお茶は欠かせない存在となっていきました。

武士が台頭してくるにつれて戦が多くなり、心に不安を抱える庶民が増えていきました。

お茶は当時から精神を安定させる効果があるとされていました。戦の多い世の中に対する不安を解消しようと、お茶を欠かさない禅が日本中に受け入れられるようになりました。またお茶は、消化を助ける、清涼感が得られる、眠気を覚ますなどの効果が知られていたため、寺院の門前などで販売され、多くの人々に普及していきました。禅宗の広がりとともに、お茶が浸透していったのです。

戦国時代には武士たちがさらに力をつけるようになります。禅宗もさらに広まり、禅の思想を取り込んだ侘茶(わびちゃ)が生まれ、千利休によって大成されました。千利休は織田信長や豊臣秀吉など権力のある武将に仕えていたため、茶の湯の社会的地位の向上に大きな役割を果たしました。

また、茶頭(ちゃがしら)と呼ばれる茶の湯をもって主人に仕える人々の多くは、禅宗で悟りを開きました。法名(ほうみょう)を名乗るなど、仏法を拠り所としていきました。

現代でのお茶と仏教の関わり

禅寺でおこなわれている茶礼(されい)という儀式があります。茶礼は朝の坐禅後、食事後、就寝前など、1つのやかんから淹れたお茶を修行僧たちで分け合って飲むという礼法です。
茶礼には僧侶たちが同じお茶を共に飲むことで、異なるものが調和し、ひとつになる精神が表現されています。

現代では、仏前に茶湯と呼ばれるお茶が供えられたり、法事・法要でお茶が振る舞われたりします。また、仏事の返礼にお茶が多く用いられています。

お茶は日本人にとって好みに左右されにくく、また軽くて持ち運びしやすい、日持ちするなどの点から、香典返しとして好まれてきました。仏教儀礼の中に、お茶は深く根付いているのですね。

新茶の季節とは?

新茶とは、毎年春、最初に収穫された茶葉を使った煎茶のことです。

新茶の茶葉は冬を乗り越えて春に芽吹いたものです。太陽光をあまり浴びなかったため、柔らかくてみずみずしいという特徴があります。また、味や甘みの主成分であるテアニンを豊富に含むため渋みが少なく、独特の美味しさがあります。新茶を飲めるのは1年に1度、貴重なものなのですので、しっかりと味わいながらいただきたいですね。

まとめ

5月初旬は新茶の季節です。文部省唱歌「茶摘」で歌われる「八十八夜」の頃で、立春から88日後にあたります。そして、この日に摘まれた茶葉は縁起がよいとされています。また「新茶を飲むと1年間無病息災で過ごせる」「新茶は長寿につながる」などともいわれます。

栄養価が高く、さわやかな香りで奥深い味わい新茶、今年は仏教にも思いを馳せながら楽しんでみてはいかがでしょうか?

そしてもうすぐゴールデンウィークであり、端午の節句!
こちらの記事で仏教との関わりをご紹介しています。良かったら覗いてみてください。

仏教は端午の節句とも関係がある?~鯉のぼりの色と仏教~

 

 

参考URL

https://shop.senchado.jp/blogs/ocha/20210608_256

〔あおき葬祭コラム〕第61回:お茶と仏教、その意外な関わりについて

https://www.o-cha.net/teacha/bunka/bukkyou.html

https://www.ayataka.jp/story/otya/01.html

https://www.lupicia.com/magazine/2017/09/special.html

https://aokisaien.com/2021/09/17/column061/

https://shop.senchado.jp/blogs/ocha/20200817_374

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