体感3℃下げ!お寺にまつわる体験・こわい話

夏は遊園地などにお化け屋敷が開設されたり、心霊スポットや恐怖体験を紹介するテレビ番組も増えますね。

こんにちは、ほと子です。
自宅で恐怖体験してみたいときは、百物語という日本伝統の怪談話を読んでみるのもおすすめです。

また、全国の寺院のなかには、肝試しや怪談を聴くイベントを企画しているところもあるんですよ。今回は、お寺にまつわるこわい体験やこわい話をご紹介します。肝試しや百物語のルーツについてもお伝えするので参考にしてみてください。

 

肝試しのルーツは?

肝試しは、夜に墓地や人けのない場所など恐怖感をあおる場所で行われ、どれだけ耐えられるかを試すゲームです。平安時代に書かれた「大鏡」という話がルーツだといわれています。

「大鏡」は、花山天皇が藤原兼家の3人の息子を鬼が出るといわれる屋敷に行かせる話。3人のうちの1人だけが肝試しをやり遂げ、証拠として屋敷の柱を刀で削って持ち帰ります。証拠品を持ち帰るルールは、現代の肝試しでも使われていますね。

 

お寺で肝試し体験

例年7~8月には、肝試しをはじめとしたイベントを企画するお寺が多くあります。コロナ禍の影響もあり、今夏はそれほど多くありませんが、開催が予定されているお寺の肝試し体験をいくつかご紹介します。

静岡県:一乗寺

一乗寺は静岡県清水市にある曹洞宗のお寺です。8月1日(土)~29日(日)の期間中、全8回の予定で肝試しが行われます。会場は一乗寺、及び大内観音ハイキングコースの2か所。最大5名のグループで参加でき、所要時間は約10分です。

貸与された手元灯を持って出発しますが、お寺というロケーションに加え、山間部ということで濃密な暗闇が予想され、体感は3℃以上下がりそうですね!「妖怪道怨博(ようかいどうおんぱく)」として開かれるこのイベントは「肝試し」と「怪談」の2部構成。好評につき、現在は新規予約を受け付けていません。

滋賀県:三井寺

三井寺は滋賀県大津市にある天台宗のお寺。2018年から毎年「三井寺妖怪ナイト」というイベントが開催され、夏の恒例イベントになっています。同時に開催されるイベントも盛りだくさんで、自由に参加できる妖怪行列や琵琶の音が響くなかで聴く怪談、妖怪グッズを販売するモノノケ市など多数企画されています。

今年は8月7日(土)~9日(月)で開催され、境内にたくさんの妖怪が出没して参加者をこわがらせる予定でしたが、新型コロナウイルス蔓延防止のため中止になってしまいました。興味を持った方は、来年以降ぜひ参加してみてください!

百物語って知ってる?

百物語とは、日本の伝統的な怪談会のこと。数人が集まって順番にこわい話を披露していくものです。100本のろうそくに火をともし、1つ話が終わるごとにろうそくを1本消していき…100本目のろうそくを消したときに「怪」が現れるといわれています。

江戸時代には百物語が娯楽の一種として流行し、こわい話を集めた書物がたくさん出版されました。「諸国百物語」や「御伽百物語」などがあり、実際に100話収録されていなくても、「百=たくさん」いう意味合いで「百物語」という言葉が使われています。

お寺や仏教とゆかりのある百物語

百物語のなかには、お寺や仏教とゆかりのあるものがあります。ここでは、有名な「耳なし芳一」と「三枚のお札」の2つの話のあらすじをご紹介しましょう!

※語り手や地域によって話の細部に違いがある旨、ご了承ください

耳なし芳一

あるお寺に、芳一(ほういち)という目の不自由な琵琶奏者がいました。和尚不在のある夏の夜、「今日から3晩、壇ノ浦の合戦の弾き語りをしてほしい」と謎の男に依頼されます。寺を抜け出した芳一を和尚の使いが尾行すると、なんと芳一は、安徳天皇のお墓の前で亡霊に向けて弾き語りをしていたのです。

芳一がこのまま亡霊に憑りつかれることを案じた和尚は、3日目の夜、芳一の全身に経文を書き、声を出さないように言いつけて出掛けます。しかし、耳だけ経文を書き忘れていたため、芳一は迎えに来た亡霊に唯一見えていた両耳をもぎ取られてしまいました。芳一は両耳を失いましたが、亡霊に憑りつかれずに済み、「耳なし芳一」と呼ばれてますます有名になったのです。

三枚のお札

ある日、寺の小僧が裏山に栗拾いに行きました。和尚は山姥(やまんば)が出たら使うようにと3枚のお札を渡します。栗拾いをしているうちに暗くなったので、小僧はおばあさんの家に泊めてもらいますが、そのおばあさんはなんと山姥!

1枚目のお札で自分の代わりに返事をすることを頼み、2枚目のお札で川を、3枚目のお札で火の海を出現させて、どうにかお寺まで逃げ帰ります。しかし山姥はお寺まで追いかけてきました。そこで、和尚は小僧の居場所を教える条件として山姥に術比べを提案。豆くらい小さくなれるかと聞き、小さくなった山姥を餅に挟んで食べてしまいました。

肝試しや怪談で暑い夏を乗り切ろう!

お寺で行われる肝試しは、想像しただけでも背筋が凍りつきそうですね。過去には百物語の朗読を行うイベントが、お寺で行われたこともあるようです。興味がある方はアンテナを高くして、情報を収集してみてください。この夏はお寺での肝試しや百物語など、体感が3℃ほど下がる恐怖体験をあなたもぜひ!

また、過去には滝行を取り上げた記事『滝行体験で心身ともにリッフレッシュ』もありますので、さらに体感温度を下げたい方はこちらもどうぞ♪

ほと子’s choice

今回のほと子’s chiceは、肝試しを盛り上げるグッズをご紹介します。


お面 狐 白 半面 鈴付き 3枚セット
¥1,199

 


懐中電灯 LED
550ルーメン 高輝度 軽量 小型 単三電池2本 IP68完全防水
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続々・怪談和尚の京都怪奇譚 (文春文庫)
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